ドクターはだんだん興奮してきたらしく、声や身振りが次第に大きくなってきた。

「さらにこの以前多大な苦労と膨大な時間を掛けて開発したモーター!」

「ああ、それ苦労の割にはあんまり小型化出来ませんでしたね」

「馬鹿者ぉー!!」

ヒロシはブン殴られて壁まで吹っ飛んだ。
スグに起き上がったが、何が起こったのか分かりませんって表情だ。

そんなヒロシに指を突きつけながら怒鳴りつけるドクター。

「小さいだろ!五百ミリリットルのペットボトルサイズでスクーターと変わらない出力のモーターだぞ!分かってんのかコラ!」

「分かりました。分かりましたから落ち着いて下さい…」

「ハッ私としたことが…少し取り乱したようだ。済まなかったね。完成したんだしラウンジで一息入れようか」

「そうしましょう。缶コーヒーで仮の祝杯といきましょう」

二人は先ほどのやり取りが無かった事の様に和やかに開発室を出た。

入れ替わりに隠れていた華が開発室に入った。

華の目は好奇心で輝きまくっていた。