「そうだね、行こ♪」

明るく振る舞って、私は那智に言った。

校門を出ようとしたところで、那智が止まった。

「……あ~、やっぱりマックにしない!?ね、ほらほら」

そう言いながら、カラオケとは反対方向の道に行こうとする。

「えっ?ちょ……」

戸惑いながら後ろを振り向くと、私は動けなくなった。

「ぁ……なお……き、くん」

そこで見たのは、直輝くん。

……そして、違うクラスの、名前も知らない女の子。

2人は、手を繋いで見つめあって歩いていた。

凄い楽しそう。



――いやだ、見たくない!

私が好きだった直輝くん。

本当なら、私のとなりに居てほしかった。

辛いのは嫌だ……。

「凜……大丈夫?」