「先パーイ!!起きてますかぁ?」


昼休み、昨日の泣き顔はドコ吹く風。伊織が元気よく保健室に入ってきた。

俺はその声に目を覚ました。

ジャッとカーテンを開け、伊織の笑顔が覗く。


「……うぜぇ」


目の上に腕を乗せ、俺は寝起きの声で呟く。

『はぅっ!!』とショック顔の伊織が、開けていたカーテンを閉めて歩み寄ってくる。


「波留先パイ、ヒドイですよぉ~」

「ヒドくない。」

「っていうか、授業出なくて大丈夫なんですかぁ?」

「お前みたいに頭悪くないから」


腕を退けて、その指で自分の頭を指す。

伊織は頬を膨らませる。