「あら、またサボりぃ?波留ちゃん、テストの点数が良くて、全国で1から10の間を行き来してたとしても、授業は出た方が良いわよ~?」


保健室に向かうと、ウザイ野郎が話し掛けてきた。

なんで俺の全国順位知ってやがんだコイツは。


「日数とか足りてるから問題ねぇ」

「ふぅ……まったくこの子は」


わざとらしくため息を吐いた後、ヤツは『ほどほどにねぇ』と言ってから、保健室を出て行った。

また出張か。

一人になった俺は、定位置に向かい、寝転がる。

今年、俺は3年で、大学受験とか言う面倒なモノが待っている。

勉強はそれなりにできるし、担任もそれを理解しているから何も言ってこない。

大学はドコに行こうかまだ決めてないけど、今の問題はそこじゃない。

いや、もちろんそれも重要なコトだけど、違う。

狂った俺を、どうにかしてくれ。

こういうコトを考えるのは、割に合わない。


「……面倒くせぇ……」

「……何がですか?」


聞き慣れた可愛らしい声が、俺の耳に届く。

横を向くと、カーテンが少し開いて、見知った顔が現れた

伊織だ。