いっくんにもし「好き」って言われたら……



「あのね、あたし……」


「まお!」


いっくんに続きを遮られてしまった。


人の話を聞かないとこはあたしにそっくり。
あたしのこの性格はいっくんの影響?


「何も言うな、考えるな」


「……… どうして?」


なんでそんな事言うの?
あたしのキモチは聞いてくれないの?



「まおはまだキモチが固まってないはずだ」


「そんな事無い!」


「固まってない。
……… まおは、優しいからな」


いっくんが軽く笑った。


あたしだって冬休み中、ちゃんと考えたんだよ。


普段あんまり悩まないけど…… これだけは、何時間も何十時間も考えた。



「まお、無理するな」


「無理なんてしてない」


無理なんてしてないよ?


だってあたしは、いっくんが。


――― 好きなんだから。