日が当たらないせいか、暗い廊下。
ヒヤッと感じる寒さ……


そんなとこに、特別教室はある。



ガラガラっと、ドアを開けると…… お目当ての人物。


「……… いっくん」


「まお、か」


特別教室はほとんど使われていない教室だけど、日当たりは抜群!


大きな窓から入る日差しのお陰で、教室内が暖かい。



「こっち、くるか?」


「うん……」


窓の側に座るいっくんに近付いた。


意外と広い、教室にいっくんと二人っきり。


イスに腰を下ろし、片手にパンを持って視線はどこか。
――― 遠くみている。


あたしもいっくんの隣にイスを持っていき、そこに腰を下ろした。


「………」


「………」


あたし…… 邪魔だったかな?
せっかくのお昼の時間だもんね。


「……… パン、食うか?」


「パン?」


「焼きそばパン。

メロンパンとか甘いパンじゃねーけどな」