「樹には樹なりの考えがあるんだよ、まおちゃん」


「――― 陽太くん」


あれっ、陽太くんって教室組じゃないよね。
いっくんと陽太くんは食堂組だったような……



「桐谷ー、まおの話聞いた?」


「ハイハイ、愛川は黙ってな」


あー! こんな時に不謹慎かもしれないけど……
優ちゃんがメチャクチャ可愛い。


陽太くんに宥められて納得していないのか、プーッと頬を膨らましちゃっているー!


リカちゃんなんてこっそりクスクス笑っている。



「まおちゃん、樹なんだけどさ」


「うん……」


陽太くんはいっくん一番の友達。


きっと…… 誰よりも心を許しているはずだから。
いっくんの考えを知っているかもしれない。



「樹さ、まおちゃんが体調悪かったり、悩んだりしたらいつだって気付いていた」


「………」


陽太くんは何が言いたいの?


「樹の考え…… と、言うより“将来の夢”って何か知っているか?」