おばさんからのお菓子楽しみだな。


仕事が忙しいのにわざわざ作ってくれるのか……



「楽しみにしているっ」


「まだ1ヶ月も先だろ? 今から楽しみにしてどーすんだよ」


「いいのー、楽しみなんだからっ」


今年はどんなお菓子かな?


あたしも今年は頑張るんだからっ!



「まお……」


「ん?」


隣を歩くいっくんを見上げた。


さっきとは違って…… ちょっと真剣な顔つき。


…… どうしたの?


「まおさ、イブの時の事なんだけどさ……」


「う、うん……」


――― ドキッ ドキッ ドキッ。


ヤバい。 何だか、早く鳴り出した。


キュッと、右手を胸の前で握った。


「あれさ、忘れろ」


「――― えっ」