「どうしたの?」


「な、何でもねーよッ」


ウソだ!!
あたしが出て行くときは顔が赤くなかったもん。


あたしがいない間…… 理央ちゃんと何をしていたんだ?


顔の赤い、いっくん。
それとは対称的な、理央ちゃん。


あたしがいなかったのはほんの数分程度だったんだけどな。


「いっくん、風邪でも引いた?」


「バカッ、ちげーよ。 気にすんな」


気にするなって、言われても。
急に顔が赤かったら誰だって気になるから。


それに……


「挙動不審」


「そんなんじゃねーから」


どうしちゃったの?
いつものいっくんらしくない……


理央ちゃんに何か吹き込まれでもしたの?


「理央ちゃん?」


「あたし、何もしてないもーん。

はいはい、二人ともあたしの勉強の邪魔だから出ていった、出ていった!」


「えっ、あっ、ちょ! 理央ちゃん?」


カバンやら荷物を持たされ、なぜか。


――― パタンッ。


ドアまで閉められ、あたしといっくんは追い出されてしまった。