「あたしね、陽太くんが嫌いだよ……」


「はぁ!?」


だって、優ちゃんを独占しちゃうんだもん。


放課後だけじゃないよ。
朝やお昼休みだってそうなんだよ!


優ちゃんとの時間が本当に少ない。
これじゃあ、いつまでたっても相談出来ない。



「あー、そう言うことか」


いっくんだって納得するでしょ?


でも、これはあたしのただのヤキモチ。
優ちゃんには優ちゃんの時間があるから邪魔しちゃイケないんだ。


「分かってんじゃん」


「うん…… でも、一人で帰るのは寂しいの」


今までずっと一緒だったんだもん。
急に一人は寂しくてしょうがない。


「寂しがり屋」


「ふんだっ」


ちょっとー。
手を口元に持っていって隠れて笑うくらいなら。


堂々笑ってよ!


「ほら、電車来たから乗るぞ」


「あっ、うん」