あー、ダメだー。
リカちゃんに将来何になりたいのか聞くのはいいけど。


あたしは何になりたいんだろう。


あれから数日。
陽太くんに言われたように考えてみたけど、全然思い付かない。


こんな状態で、志望調査書の提出に間に合うのかな?



「はぁー」


あたしは机に突っ伏した。


もう何人かの人は提出したみたいなんだよね。


陽太くんも提出したし、優ちゃんやリカちゃんも。


いっくんは…… 知らない。


そう言えば…… いっくんが将来何になりたいのかも知らないや。


ま、興味ないから関係無いや。
いっくんならなんでも完璧にこなしそうだから、何やっても似合いそう。



「はぁー」


ガヤガヤ騒がしい教室内をグルリと見回した。


優ちゃんは陽太くんに連れられてどこかに消えちゃって、いっくんは友達と楽しそうにお喋りしている。


「……… !!」