陽太くんが優ちゃんに電話…… なんだか、珍しいな。


まあ、いっか。


パタパタっと靴を鳴らして廊下で待ってくれている優ちゃんの元に走り寄った。



「ごめんね、優ちゃん。
……… もしかして、待った?」


「ものスゴーク、待ったんだからねっ」


昇降口に向かって歩き出した。


のんきに陽太くんと話しているんじゃ無かった。


あっ!
忘れない内に陽太くんからの伝言伝えなきゃ。


「陽太くんからなんだけど“電話する”って言っていたよ」


「ふーん、了解」



ヨシッ!
陽太くんからの伝言を伝え終わった。


これで、一安心。


……… ???


どうして優ちゃんの顔がちょっと赤いの?
でも、何だか嬉しそう。


なにか良いことでもあったのかな?


「優ちゃん?」


「何? どうかしたの」


「なんだか優ちゃんが嬉しそうだから“何かあったのかなー”って思ったの」