音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~

「俺たちは来年は“受験生”になるんだから、そんな勉強に浮わついた気持ちのやつが一人でもいると、勉強やりずらい」


あたしの学校は進学校。 就職する子はマレなんだよね。


「あっ、でもまおには関係ないか。
だって“学校を辞めよう”って考えているんだもんな。
俺たちと違う学校になるんだったら進学とか関係ないな」


もう、いっくんの中であたしの存在は無いの?
いなくなった人間って思われているの?


いっくんの目の前にいる『木下 まお』は、どこにいるの?



「俺、こんな考えのやつと“幼なじみ”だったなんて…… アホらしい」


だった…… いっくんの中ではあたしは過去の存在。
もう…… あたしたち、幼なじみでも何でもない。



「いっくん……」


これで、最後にするから……
もう、いっくんに迷惑なんて掛けないから。


最後に、これだけは聞いて。