「ソーダがいいな。
よしっ、ソーダにしよう」


あたしの意見はやっぱり無視じゃん。
だったら最初から聞かなきゃいいのに。


「ついでに言っておくけど、この“62円”はおごりだからありがたく食えよ」


「はいはい」


おごりって…… いつもおごってくれるじゃん。


もしかして、今月ピンチだから『62円』だけ?


だったらあたしみたい。



「いっくん、これ買って!」


「んー、どれ?」


あたしはこのピンク色の紙パック指差した。
青と黄色のパックもあるけど……


あたしはピンクの紙パックのジュースが一番好き。



「105円だよ、105円。
500ミリリットルで105円は絶対お得だよ!」


難しい顔をしてちょっと考えているぞ。


もう一押しかな?


「絶対安いよ!
これ、ものスゴーク美味しいんだから」


「……… はぁー。
しょうがねぇ、買ってやるよ」


やったー。
やっぱり頼んでみるものだ。


後でいっくんにも半分分けてあげよっと。


いっくんはそれからちょこちょこカゴに入れて会計をした。