音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~

「もう、行くっ!」


いっくんをレジ前に置き去りにして、たったっとレジの前から立ち去った。
あたしはエレベーターに向う。


妹ってなんなのよ、妹って!


あたしが妹って……
一体いくつに見えるの。


これでも高校生。
中学生に思われているのかな?


そりゃ、いっくんとは身長差があるよ。


あるって言っても、20センチ位だもん。


イライラしている内にエレベーターの前に着いた。
カチッと【↓】ボタンを押した。



「まお、何怒っているんだよ」


「………」


「まーおー」


「………」


どうしてエレベーターが1階にいるの。
今なんかまだ2階だ。


早く来てよ。


「まおー」


「……… いっくんのバカッ」


妹なんてひどすぎる。
たった数週間しか誕生日は違わないのにな。


「妹だってさ。
ま、身長差がちょっとあるからしょうがないだろ。
さっきの店員にはちゃんと訂正させておいたから」