音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~

これでも一応、同い年。


たった数週間いっくんが早く産まれた話であって。


あたしだってお金を払う事が出来る。



「なんで、先に払っちゃったの。
自分の分くらい自分で払えるよっ!」


「いーの。
まおは気にするな」


気にするっつーのっ!
どこをどう気にしなくていいのか分からない。


レジのお姉さんはあたしたちのやり取り見て微笑ましそうに見ている。



「可愛らしい“妹さん”ですね」


可愛らしい…… 妹!!


あたしいっくんの妹なの。


「……… っく。
ごちそうさまでした」


笑いをこらえるなっ!
笑うならもっと、堂々と笑ってよ。


あたし…… いっくんの妹とか、信じられない。


これでももう時期誕生日なのに。



「ほら“まおちゃん”帰るよ」


「うっさいっ!
バカ、いっくん」


普段は『まお』って呼ぶのに『まおちゃん』って……


絶対からかっている。


あたしは理央ちゃんじゃないんだからっ。