音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~

あたしはコップに残っているアイスティーをズズーっとすすった。


もうお腹いっぱい。
カルボナーラも美味しかったし、ミルクプリンも美味しかった。


いっくんに一口分けてもらったハンバーグも美味しかったな。



「そろそろ行くか?」


「うん、行く」


この後は理央ちゃんのお土産でも買いに行きますか。


「――― あっ!」


伝票を持って立ち上がろうとしたのに、先にいっくんに取られた!


ちょっ、どうしてスタスタ歩いて行っちゃうの!
あたしを置いていかないでよ。


…… って、もうすぐレジじゃん。
お昼までいっくんに出して貰うわけにはいかない。


「ちょっと、待ってよ!」


「ありがとうございました」


……… あぁ、会計終わっちゃったよ。
結局、1円も払っていない。


「ほら、まお行くぞ」


「バカッ!」


あたしだって、自分の食べた物位払えるのに。
なんだかこれじゃあ、いっくんに甘えっぱなし。