ま、そんな事言わないのがいっくんだ。


「いつまでガラスにへばりついているんだ。

もう着いたんだけど」


「ん、今降りる」


あーあ、もうちょっと見たかったな。
また帰りに乗ればいいか。



「いっくんは何食べたい?」


「何でもいい。
腹に貯まるもの」


腹に貯まるものねぇー。


何かもっと具体的に言えないの?


「あたしの好きなものでいい?」


「腹に貯まれば何でもいい」


そっか、そっか。
じゃあ、何にしようかな?


ソバ…… お腹に貯まらなそう。


ラーメン…… あたしがイヤだ。


うーん、何にしようかな?



「決まったかー」


「まだー」


だって、どこがいいか分からないんだもん。
色々あるから目移りしちゃう。



「――― !!」


ゆっくりレストランの前を歩いていると、良いところ発見。


「ここにしよっ」