「頼むから俺を巻き込むなよ」


「だから、転ばないってば!」


あたしはそんなに子供じゃない。
もう、そろそろ17になるんだから。


「すっごーい……」


シアター入り口には、人!人!人!!


入り口が溢れてしまいそうなくらいの人がいる

家族連れも見られるけど、友達と来ている人もいる……


なんだか人が多すぎて、酔いそう。


いっくんとはぐれそう。


って、もうはぐれたかも!!


階段を登りきった所まで一緒だったのは覚えている。


あたしが人の多さに立ち往生している内にはぐれたのかも。
こんな事になるなら、いっくんの袖をまた掴んで置けばよかった。



「おい、そこの迷子」


「いっくん!!」


よかった、本当に迷子になったのかと思った。


ここまで来て迷子になりたくない。