そう言えば……ママとパパに口止めしておくの忘れた。


まさかいっくんがあたしの家に来るなんて……
想定外。



「もしかして……
ママたちは今日、3人が来ていることを……」


「知っている。
だから、こうやってお菓子があるんだろ」


……… そういうことだったのか。
このお菓子どうしてここにあるのか今、しっかり理解した。


入院した初日にも関わらずあたし抜きでママとパパと理央ちゃんが楽しそうにこの『お菓子』について話し合っていたのか。


その時にはもう、3人がお見舞いに来ると分かっていたのか。


確信犯め。



「おばさんたち、本当にまおに黙っていたんだな」


「何も聞いてないし」


ただ『誰か』の為にクッキーを用意するしか聞いてない。


だれも来ないと思ったんだもん。


まさか……
みんな知っていただなんて。


――― 複雑だ。