――― コンコンッ。


珍しい。
今は2時前だ。
こんな時間に誰があたしに用事があるんだろう。


点滴は午前中にやったし、ママたちは6時頃に来るって言っていたから……


看護師さんかな。


「はーい、どうぞー」



あたしは一人で納得して、返事をした。


……… ん、おかしよ。


なにかあったのかな?


ガラガラガラッとドアをスライドさせて中に入ってくる感じがしたけど、声が聞こえない。


いつもだったら「木下さーん」とか「まおー、来たよー」って声が聞こえるのに……


一体どうしたんだろう?



枕に埋めていた顔を出して、首を回して入り口の方へ向けた。


「あっ!」


目があってしまった。


それより……
どうしてここにいるの?


居るはずのない人物が隣のベットとを別けているカーテンから顔を覗かせていて……


あたしは声も出ないよ。



「まお、みーっつけ」


「………優ちゃん」