「ママー、入院することになった」


外待合室に待っているママへの第一声。


「あらそう。
じゃあ準備しなくちゃね」


本当は……

入院なんて、したくないよ。
学校休みたくない。



「じゃあしばらく学校はお休みだね」


「そうだねー」


ヤバい。
なんだか泣きそうだよ。


入院が嫌だから泣くだなんて、まるで小学生みたい。


こんな理由で泣いた姿、ママに見られたくないから唇を強く噛み締める。



「あっ、学校に行ってくれる?
教科書とか取りに行きたいから……」


長い長い、入院生活。


少しでも回りとの差を少なくしたいからいつもより勉強を頑張る、つもり……



「久し振りの入院かー。
楽しみだな」


「何、楽しみにしているのよ。
ちゃんと治療しなさいよ」


「わかっているよー」



ちゃんと治療するって決めたのに、笑っているのが辛いよ。


まだあたしの心は『学校に行きたい』って叫んでいる。