ゴメンね。
陽太くんだってあたしが最近おかしいって気付いているよね?


それでも聞いてこないっていうのは……陽太くんが優しいから。


その優しさはいっくんとはまた違った優しさ。



「あまり詳しくは聞かないけど……何かあったら教えてな。

力になるからさっ」


「………ありがと」


陽太くんにはいっくんの側にいて力になって欲しいな。


いっくんの交友関係を見ていたけど……
一番の友達は陽太くんじゃないかな?


だから……



「陽太くんっ。
これからもいっくんは先に行くと思うから、いっくんと一緒に先に行って。
あたしは優ちゃんと行くから大丈夫だよ」


朝は陽太くんといっくんの二人で登校してほしい。


あたしが無理矢理いっくんの後を追いかけさせた次の日からはいつも通りあたしを待っていてくれて、3人で登校。


「あー、その事なんだけどさ……」


何だろう?
教室に戻ろうとして、階段を数歩登っている陽太くんが頭の後ろを掻いて振り返った。