貰った手紙だし……一応、返信。


先生の目を盗んで、後ろの陽太くんの机の上に紙切れを置いた。



大体察しはつく。


最初はいっくんにあたしと何かあったか聞いたんだろう。


だけど、あのいっくんだ。

どうせ、無言を貫いたんだろう。


それであたしに聞きに来た……そういう所だな。



「まおちゃん……」


イスを少し後ろにずらして陽太くんに近づいた。


「何?」


「授業が終わったらちょっと俺と話し、しよ?」


「リョーカイ」


ヤバイよ……
ヤバイよ……
どうしよう。


ケンカしたか聞くって事だよね?


いくら陽太くんでもあたしが『難聴』だと、言いたくない。


いっくんにだって隠していることなのに、陽太くんになんて言える訳が無い。


もし、陽太くんに言って万が一いっくんの耳に入ったら……


大変だ。


どうしよう……


これは緊急事態だ。