「あっ……おはよ」


「………」



駅のホーム。
何気無い朝の日常だけど……あたしといっくんの空気だけが違う。


あたしよりも遅く着いたいっくんが階段を降りてきて、あたしの前を通って無言で先頭車両へ向かって足を進めていった。


『関係無い』って言ったのはあたしだけど……


まさかムシされるだなんて思ってもいなかった。



次の日になったら変わらない日常が来るって……少しは期待していたのに……


いっくんとこんな関係をを作ったのもあたし。
いっくんを怒らせたのもあたし。


こんな状態が嫌だと分かっていながらも……
いっくんに言い出すことが出来ない。





「まおー!おはよう」


「優ちゃん、おはよ」


電車に揺られて、バス停に優ちゃんと陽太くんを発見。


「あれっ?
いっくんはどうしたの」


いっくんの姿が見当たらない。


あたしよりも早く改札を抜ける事が出来るし、いつも遅いあたしを待っていてくれるいっくんがいない。


今日はあたしの方が早かったのかな?