「何かあったらすぐに言いな、手伝ってあげるから。

あと学校で何かあったらすぐに先生や友達に言うんだよ」


「分かっているよ」


そんなに心配しなくて大丈夫なのに……。

あたしだって2年生になるんだから自分の事は自分でできる歳。


それに“難聴”って事で“誰かの手を借りなければ生活できない―――”と思われたくない。


“出来ることは自分でやる―――”

これが、あたしの今年の目標だ。



「まお、辛くなったら直ぐに言いな? 話聞いてあげることがほとんどかもしれないけど、ね」


「ん、ありがと。 でも大丈夫だよ。 全然辛くないから」


菜々――― あたし全然辛くないよ。

こうやってあたしが“難聴”と話しても友達を辞めないでくれる菜々がいてくれればあたしは大丈夫だから。


だから……。


「これからもよろしくね」


「はぁ? 何訳の分からないことを急に言うの。

――― 頭までおかしくなった?」


あたしはこんないい友達がいて、幸せ者だ。