(な、なんであたし?!
良太の友達みたいだけど…悪い人じゃなさそうだけど…

ど、どうしよう…)





「咲希、交換しちゃいなよ!」



絵里があたしの耳元で囁いた


完璧に面白がってると思ったけど
今はそれどころじゃなくて…



「…うん、良いよ」



考えても断る理由がなくてあたしは頷いた。



「やったぁ!」



そう言ってまた笑う堀内君

同じ携帯が赤外線を通じてるのに、少し違和感を感じてる間にあたしのアドレスはもう堀内君の携帯に届いた。



「あっ、今日用事あるんだ…もう行かなきゃなんないから俺からまたメールするね?」

「う、うんっ」

「ごめんな、委員会頑張って」



そう言って堀内君は教室を飛び出した

あたしは携帯を握り締めて何だか頬が熱く感じた。



自分でも分かるほど

熱を持った頬が

教室に流れ込んだ

廊下の冷たい風に触れて

なんだか少し気持ち良かった。
 
 
「咲希ってば真っ赤になっちゃってー」

「う、うるさいなぁ」



絵里がニヤニヤと不気味な微笑みを浮かべながらあたしを見る。



照れくさくて
いつまでも頬が熱かった。