「…でかすぎだろ…」



俺は今、北条財閥の家…お屋敷?の目の前にいる。


雨はすっかり止んだ。



それにしてもでかい。


でかすぎる。


俺の住むおんぼろアパート何軒分だろう。


ってかこんな家が、近くにあったなんて。



一人物思いにふけっていると、いきなり誰かに話し掛けられた。



『…誰だ?』



「う、わ!?」


慌てて辺りを見渡しても、誰もいない。


が、すぐに監視カメラが目に入った。


どうやら、不審者防止の為らしい。



おそらくここから声がしたであろう、小さなスピーカーも見つけた。


『…誰だと聞いている』


なかなか名乗らない俺に痺れを切らしたのか、声の主が苛ついた口調で聞いてきた。


俺は、監視カメラの方を見て名乗る。


「こんにちは。時間屋の空雅と申します」


反応が、ない。


「…もしもーし?」


『本当か?貴様のようなガキが?』


カッチーン。


悔しいが、よく言われる。


人を見かけで判断するなっての!