無事に着地した俺は、気絶しかけている志乃に声をかける。
「おい、大丈夫…」
「―――なわけないでしょ!?」
物凄い形相で睨まれた。
助けてやったのに、なんてやつだ。
「空雅!!」
ぎゃあぎゃあ言ってる志乃の声を遮って、別の声が俺を呼んだ。
「…梶先輩っ!」
俺は志乃を降ろし、手を引いて梶先輩のもとへ駆け寄る。
梶先輩は物珍しげに志乃を眺めた。
「おー、これが噂のお嬢サマ」
「梶先輩、電話で言った通り、こいつを北条家までお願いします」
そう。
梶先輩に、電話で応援を頼んでおいた。
志乃を安全に送り返す為に。
「行こうか?敵さんに見つかっちまう。あっちにバイクあるから」
「あ…」
梶先輩について行きかけて、志乃は俺を振り返った。


