欲しくもない能力をもった。
たかがその能力の為に、周りの誰かが傷つき、好きでもないやつと結婚する。
一番辛いのは、お前なんだ。
「…だってっ…」
またも目に涙を浮かべながら、志乃は言った。
「…どーすることも出来ないよ。こんな能力、なくならない限りっ…」
「やっぱ、逃げてんだよ」
ため息と共に、俺は志乃の目の前まで歩く。
「…逃げちゃだめだ。受け入れんだよ、その能力を」
「受け…、入れる?」
俺は軽く頷いた。
「お前がまず向き合わなきゃいけないのは、その能力だろ?…使い道は、悪い方向だけに向いてるわけじゃない」
未来を、視る。
その使い方は、無限にあるはずだ。
「その能力を良い方向に生かせるように、お前が頑張ればいいんだ」
「…空雅くん…」


