「思ってませんよ。全く、俺が本気で狙ってると知ったら、毎日あのお嬢様は電話してくるんですよ」
あからさまなため息をつき、中川は続ける。
「"もうやめて、護衛の人傷つけないで""時間屋さんに依頼したから"」
中川はしっかりと、俺の瞳を捉える。
「"空雅くん傷つけたら、許さないから"」
…本気で馬鹿だ。
何で…俺の心配してんだよ。
「全く笑わせてくれますよ。だから俺は、お嬢様を妻にしようと考えた」
「………は?」
「貴様、何をっ…」
中川の言葉に、俺と北条が同時に反応する。
その様子が可笑しいのか、中川は微笑む。
「俺の妻になれば、その能力も手に入る」
俺の頭に、カッと血が昇るのを感じた。
「…っざけんな!!」
乱暴に言葉を吐き捨て、俺は中川に向かって走り出す。
俺を止めようと何人か襲いかかってきたが、俺はそいつらを上手くかわし、中川の前に立つ。
憎たらしいほど、中川は平静な表情を保っていた。


