時間屋


「時間屋さんの…名前は?」


「んー?俺?…内緒」


そう言って、時間屋は人差し指を口元にあてた。


俺が文句を言うと、時間屋はスッと俺に何かを差し出した。


「あ………!」


きらきらと、輝くもの。


紛れもなく、俺のペンダントだった。


「すごい、どうやったの?」


そのペンダントをしっかりと握り、俺は問いかける。


「俺にかかれば、どんなものも戻ってくるのでーす!」


あはは、と笑う時間屋に、俺は疑いの目を向けた。


「………嘘だぁ」


「嘘じゃねーって!」


「じゃあ…」


その続きを言いかけて、口をつぐむ。



"お母さんとお父さんを取り戻して"



そう言おうとした自分に、驚いた。


いらないと、どうでもいいと思っていた…はずだったのに。


「…空雅?どした?」


時間屋が、心配そうに俺の顔を覗き込む。


俺はペンダントを握り締めた。


「…やっぱり、何でもない」


そんな俺を見て、時間屋は優しく笑った。