「………は!?」


「だーから、一緒に学校行こ!」


朝。


俺は昨日から一睡もしていなかった。



早速敵が乗り込んでくると思い、あれこれ作戦練ってたっていうのに、全く静かな夜だった。


北条に報告すると、ああ良かったの一言だ。


敵が来ないんじゃ、俺だってどうしようもない。



この仕事を引き受けている間は、北条家でお世話になることになった。


つきっきりで、志乃の護衛ってわけ。



…で、流石に一緒に登下校はマズいかなと思い、俺は後ろからこっそり護衛作戦にするからと打ち明けた。


………のに。


「別に私、噂とか全然気にしないから大丈夫!」


「大丈夫!って…そこは気にするとこなんじゃね?」


未だつかめない志乃の性格に、俺はたじたじだった。


「それに、端から見たら、空雅くんストーカーっぽく見えちゃうよ?」


それはやだ。


俺はしばらく唸った後、渋々頷いた。


「…わかった。行こう」