時間屋


「だって!空雅くんが信じてくれないから……っ、」


そこで志乃が、急に咳き込み出した。


「おい、大丈夫か?」


志乃は苦しそうに喘いで、途切れ途切れに返事をする。


「…この能力、使うとっ…すごく、疲れる、の」


「…何だそれ。それなら、わざわざ視なくていいって!」


「信じて、もらえないと…依頼…断られちゃうでしょ?」


そこまで必死なことされて、断れるわけない。


確かに、その能力は信じがたい。


けど…


「…中川財閥は、お前を狙ってるんだろ?だったら、見捨てられない」


そこまで非情な男じゃないんだ、俺は。


志乃は一瞬驚き、すぐに微笑んだ。


「…ありがとう。正確には、私の力を、だけど」


未来を視る、能力。


そんな力を持つ人間が、周りにいたら驚きだ。


でも、何でだ?


「…中川財閥は、その力で何しようとしてるんだ?」


乱れた呼吸を整えながら、志乃がうーん、と唸った。