時間屋


「…で?何で狙われてんの?」


「まあまあ、取り敢えず座ってよ」


志乃はささっと椅子に座り、俺に向かい側の椅子を勧める。


俺が椅子に腰掛けると、志乃は話し始めた。


「うちの財閥と、中川財閥って、昔から何かと対立してたの。でも、今回は特にすごくって…あるものを取り合おうとしてるの」


「…あるもの?」


志乃は、少し目を伏せ、小さく言った。



「私の、力」



………力?


「…何、お前。そんな怪力なの?」


「ちっ、違うよ!…私、未来が視えるの」


突然のカミングアウトに、俺は目を丸くする。


未来が、視える。


「"先を視る能力"って…いうのかな。とにかく、未来が視え…って、空雅くん?」


よほど俺が呆然としていたのか、志乃は眉間にしわを寄せて俺を見る。


俺は慌てて返事をした。


「悪い!…で、何だっけ?」