時間屋


…ていうか。


「…何で俺のこと知って…」


「だって、空雅くん有名だよ?授業ほとんどいないのに、テストはいつも一番。運動神経も抜群。"天才"だって」


有名だったのか、俺…。


全然知らなかった。



あんぐりと口を開ける俺に、彼女は微笑む。


「…まっさか、その空雅くんが時間屋だなんて、びっくり!」


そこで俺は、我に返る。


…やばい。


「…北条、さん」


「あ、志乃でいいよ」


「じゃあ、志乃。…俺が時間屋だってこと、黙っててくれない?」


すると志乃は、きょとんとした顔で言う。


「……何で?」


何でって。


高校生が、時々授業サボって仕事だぞ?


「…いろいろ、面倒だから」


俺はとりあえず、それだけ言った。


志乃はそっか、と小さく呟く。


「空雅くんにも、いろいろあるもんね」


"も"ってところが気になったが、俺はとりあえず安堵のため息をつく。


そして、すかさず本題に入った。