自分でベテラン言うのもどうかと思ったが、なめられたままじゃ何かムカつく。
思いっきり笑顔でそう答えると、北条は若干眉をひそめつつも納得した。
「…では、まずは娘に会っていただきたい」
「はい」
北条の後につき、長い廊下を移動する。
迷子になりそうなくらい、複雑な作りだ。
忍者屋敷と言われれば、そのまま納得しそうなくらい。
「あのー…あとで家の見取り図とか頂けませんか」
「見取り図?そんなものはない。自力で覚えてくれ」
そんな無茶な!
このままじゃ、護衛どころじゃない。
冷や汗を流していると、突然北条が立ち止まった。
「…ここだ」
「…?ここって、行き止まりじゃないですか」
北条は、行き止まりだと思われる壁に手を当てた。
ガコン、と音がする。
「…地下…!?」
床が動いて、下に続く階段が現れた。
本当に、忍者屋敷かここは。
そもそも…この下に、自分の娘を!?


