「やめてくれ!俺はホモじゃない!だいたいおまえ誰なんだ!」

肩を突き返しながら叫ぶと、男は途端に今にも泣き出しそうなほど顔を歪めた。

「覚えて、ないのか?」

そんな顔をされたら俺が悪いみたいで、チクリと胸が痛む。

「悪いけど覚えてないよ」

悪いとつけた事に後悔。
俺は何も悪くない!

「…そう。覚えてないなら思いださせてあげる」
「はっ?」

聞き間違いかと思った瞬間には、もう俺の上で不適に笑ってやがった。