俺の恋愛【BL】



「この際、はっきり言うけど、これからは俺にかまわないでくれないか」

伊坂の胸を押し返して、俯きながら言った。
顔を見たら、同じ事の繰り返しだ。

「……悠斗…」
「じゃあ、帰るから…」
「悠斗、俺はっ…!…悠斗は、俺の事、少しは……」
「…やめろよ」
「少しくらい好きだって思ってくれたり…」
「やめろって言ってんだろ!気持ち悪い事言うな!」

一瞬にして空気が張り詰めたのがわかった。
そうしているのは、俺だ。
でも、その空気を和らげようとは、もう思わなかったし、きっと無理だっただろう。


俺は、最後まで顔を上げなかった。

それでも、伊坂が傷付いた事は、容易に想像出来た。
フッと伊坂の悲しそうに瞳を揺らめかせる顔が過ぎった。
罪悪感が波のように押し寄せてきた。その波は引く事を知らないようだ。

男が好きだという相手に、気持ち悪いなんて言うべきじゃない。
それは、よくわかっていたけれど、このままあの男に流されるべきじゃないと思った。

それでも俺を襲う、罪悪感とこの胸の痛みは明日になれば治まるのだろうか。