「いや、だからそれはそうなんだろうけど、普通男が男を気に入ってる時点でおかしいと思うだろ」
「悠斗は伊坂先輩を知らなかったんなら仕方ないけど、あの先輩が有名な理由は男色家って事だからな」
「はっ!?」
「あの先輩に目ぇつけられたら最後だよ。諦めな」
「はぁっ!?」
「あの伊坂先輩に本気で迫られて落ちない奴はいないって話だぜ。本当かどうかは知らないけどな」
「はぁぁぁっ!?」
「まっ、これも運命だと思って諦めるんだな」
「あっ、諦められるかっ!」
立ち上がって叫ぶ俺に和輝は「ご愁傷様」と呟いたかと思うとプッと吹き出した。
そして肩を震わせて本格的に笑い始めやがった。
最初はクックと声を押し殺していたのに最後は大爆笑。
俺は何がそんなにおかしいんだと怒鳴ってやりたいのを必至で堪えていた。



