‐白雪姫と悪魔なアイツ‐




 確信を得た。



 この二人、過去に何かあったんだ。



 あたしは今にも泣きそうなのを堪えて
 取りあえず立ち上がった。



 「ちょっとお手洗い」



 トイレと言っていいか分からず、その
 まま震える足取りで薫くんの隣を通り
 過ぎる。



 一瞬薫くんと目が合ったけど、あたし
 は無視してドアをパタンと閉めた。



 ここで止まって二人の会話を聞いてし
 まおうかとも思ったけど、あたしにそ
 んな勇気はない。



 余計なことを聞いてしまう前に、トイ
 レへ足を急がせる。



 顔を洗いたい。



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