「はあ、用事出来ちゃったよ…。 今日は姫ちゃんと遊ぶって決めてた んだけどなあ」 目一杯残念な顔をしてため息を吐く。 「ねえ、」 体は出口を向いていて、姫ちゃんに呼 び止められるなんて思ってもみなかっ た俺は勢いよく振り返った。 「どうしてあたしに構うの??」 眉をギュッと寄せて俺を見上げる。 ……この顔は反則でしょ。 俺は正直に答えるべく、少し真顔で姫 ちゃんに言った。 「お前見てると辛くなる」 .