「はあ、用事出来ちゃったよ…。
  今日は姫ちゃんと遊ぶって決めてた
  んだけどなあ」



 勝手にあたしと遊ぶつもりだったらし
 い彼は、苦笑いを浮かべて帰り支度を
 始める。



 「ねえ、」



 自分でも驚くくらい冷静に、勝手に口
 が動いてしまっていた。



 不思議そうにあたしを見つめる彼は立
 ち上がって帰ろうとしていた体をこち
 らに向けている。



 「どうしてあたしに構うの??」



 眉をギュッと寄せて彼を見上げる。



 すると、時折見せる真剣な表情で彼は
 言った。



 「お前見てると辛くなる」



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