あれは、まんげつがきもちわるいくらいのあかにそまったよるのことでした

ぼくはきみのきもちをしっていながら

きみをうらぎりました

きみはしずかにいいました

あいは、にくしみにかわってしまうんだね

ぼくはしずかに、そうだね、とこたえました

ちょくご、ぱああんというおととともに

まっしろなしょうえんがじゅうこうからまいあがりました

うたれたわけではありません

だって、それはにせもの

それでも、ぼくのむねにはじゅうぶんすぎるほどのあなをあけていきました

そこからながれているものがなんなのかもう、みることさえできないけれど

それでも、ぼくのむねには、きみのたしかないたみがきざまれていました

(ごめんね)

(ほんとはうちたくなんてなかったろうに)