君に片思い

3階にあるレストラン街の隅っこにあるcafe『桜』


入社当時から俺とナベオはそこのコーヒーとハヤシライスが好きで、一緒にメシを食うときは必ずここに来た。



そして決まって座るのが窓側の滑走路が見える席。

そこに2人で座って自社の飛行機を見ながら食べる。
それがいつしか定番になっていた。




早速、席に着くと注文を取りに来た金井さんが「2人ともいつもの?」と聞いて水を置く。

「勿論。」



気持ち悪いほどハモって頷く。
それを見て、金井さんは、くくくっと笑い「了解しました。」と、言って裏の厨房に引っ込んだ。



これも、いつものこと。




金井さんは、ここの責任者で、入社当時から通ってる俺らをとても可愛がってくれている。


確か50歳前後だったかな?
たまに、愚痴とかも聞いてくれて職場の母さんって感じ。


「で、松は最近よくぼーっとしてるけど、マジで相澤ちゃんに惚れたわけ?」



突然、真剣な顔をしたかと思えば………


「───はぁ?」