ＳＷＯＲＤＭＥＮ

　もはや藤井は鬼谷先生を斬ることしか頭になかった。


「うぉぉぉぉぉ！！」


　河上は抵抗もせずに静かに立っている。


「もう一度言うぞ！そこをどけ！」


「勝手にしやがれ。」



　それでも静かに先生の前に立っていた。


　こうなっては先生の方が逆に心配になってきたくらいだった。

　自分の勝手な目的遂行のためにせっかくの強者同士、そして親友である二人が喧嘩を始めてしまった。

　いっそのことこのまま河上の前に出て斬られてしまおうかとさえ思った。


　その時…


　山岡と恵本が藤井を押さえ、田中は無抵抗の河上の前に抜刀して立った。


「なんのまねだお前ら！先生の行為をみただろう！」


　完全に血が上った藤井はどなりちらした。


「はぁ…河上がこんな目をしてる時は大体なんかあるときなんだよねー」


　田中が抜き身の刀を構えたまま言う。



「っつーことだ。さっきから田中が、河上は何か考えてやってんだから止めろってうるさいから。」

「そーゆーこと。」


　恵本と山岡が口々に言う。