朝.起きると頭が痛かった。


昨日…俺は.どれ位.岳の部屋の前に立ってたんだろう?


岳だけには知られたくなかったのに…。


でも…岳に隠し切れないのは確かだった。


頭のいい岳だから俺がいくら隠し
通してもいずれはわかってしまっ
ていただろう…。


「付き纏われてる…か。
俺.ストーカーじゃん…。」


独りよがりの想い…。


これ程.虚しい事は無い。


岳の言った通りなのかもしれない。


果懍からしてみれば俺なんて
問題外なんだろう。


今度こそ忘れよう…。


叶わない想いにしがみついている
よりは俺も少しは救われるかもしれない。


制服に着替えてリビングに降りる
と岳がすでに朝めしを食ってる。


いつもの事だけど今日は変に
意識してしまう。


俺は無言でテーブルに着く。


「陸.おはよう。
昨日は良く眠れた!?」


いつもの岳だ。


余裕の表情が俺を苛立たせる。


「あぁ…。」


「そっか。良かった。(笑)」


「お袋!!俺の朝めしねぇのかよ!!」


俺はつい.お袋にあたってしまう。


「あんた居たの?」


この家はどんだけの豪邸なんだよ?


目の前に居るんだから普通に気付くだろ…。