「美咲ちゃんは?」


「横の部屋に居るよ…。
今は友達がたくさん来てて
撮影会場みたいになってる。(笑)」


「そっか…。美咲ちゃんも
花嫁姿.両親に見せたかっ
ただろうな…。」


「あぁ。とっても綺麗だから
ご両親が生きていたらとっ
ても喜んでいたと思う。」


「ごちそうさまです。(笑)」


「…いいえ.どう致しまして。(笑)」


「で?俺に何か用だったのか?」


岳の顔に緊張が走る。


「………。陸…俺は美咲と
出会って今日を迎えられた
事は凄く幸せだと思ってる。
俺が初めて本気で好きにな
った人だから…。」


「そんな事.改めて宣言され
なくても知ってるし。
それにお前の顔.見りゃ幸せ
なんだなってわかるよ。(笑)」


「でもな陸…俺だけが幸せに
なる訳にはいかないんだよ。
俺はお前にも1番好きな人と
幸せになって欲しいんだ…。」


岳…?


「そんな事言われても
相手が居ねぇよ。(笑)」


1番好きな人…。


それは…永遠に叶わない想い。


「陸…星野の事…まだ忘れ
られないんだろ?」


「何だよ急に…忘れたよ。」


岳.何が言いてぇんだよ?


「お前が星野の事.忘れられ
る訳が無いだろ…。」


「………。」