公園に入るとすぐに陸の
姿が目に映る。


陸はベンチに座って
携帯を見つめていた。


髪も黒く染め.俺が知っている
トレードマークだったツンツン
の髪型もそこには無く落ち着いた
雰囲気を漂わせている。


「…陸…。」


俺の声に陸はゆっくりと
顔を上げて呟いた。


「岳…。」


「ごめんな…待った?」


「い.いや…俺もさっき
着いた所だから…。」


陸の嘘に俺は笑ってしまった。


「な.何だよ…!?」


「ん?…相変わらず嘘が
下手だなと思って…。(笑)」


「…。うるせぇよ。(笑)」


ぎこちない会話の中にも
会えた喜びを感じる。


俺は会った瞬間に陸が俺の身体
を見て驚きの表情を見せたのを
見逃さなかった。


陸…俺はもう.大丈夫だから…。


お前が背負っていかなければ
いけない事なんて…もう何にも
無いんだよ…。


「…身体…大丈夫なのか?」


俺なんかの為に陸はどれだけ
苦しんだんだろう?


一秒でも早くその苦しみから
救ってやりたい…。


俺は日常生活には何の
支障を感じない位に回復
したと伝えた。


安心した陸の表情に
俺は自分の頑張りが
無駄じゃ無かった事を
改めて実感する。