それから一週間過ぎても
岳からの連絡は無かった。


やっぱり…岳はまだ俺を
許せないでいるんだろう…。


俺は踏み出した一歩が足踏み
したまま前に進めないでいた。


「岳からまだ連絡無いのか?」


誠也は俺が岳からの連絡を
待ち続けている事を知っていた。


「あぁ。もう無理だろ…。
アイツはまだ俺を許せないで
居るんだ…。」


「そうかな…?岳だって自分が
した事を考えればお前を責める
資格なんてねぇだろ…。
何かすぐに連絡出来ない理由が
きっとあるんだよ…。」


「そうだな…もう少し
待ってみるよ。」


誠也に言われるとそうかも
しれない…と思ってしまう。


自分に都合のいい考えだと
分かっていてもそう思うし
かなかった。


「陸…お前に話しがあんだ…。
今日.仕事.終わったら飯でも
食いに行かねぇ?」


突然のいつもと違う誠也の誘いに
俺は違和感を感じた。


「俺はいいけど…どうした?
佐伯は大丈夫なのか?」


「あぁ。今日は電話だけに
するから。」


佐伯は3日前から風邪だと言って
仕事を休んでいた。


俺は自分の事ばかりで
誠也の周りで起こっていた
事に気付いてやれなかったんだ。